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静臨/甘裏










臨也は素直じゃない。

素直とはそもそもどういうことなのか。俺は自分に正直なこととかそんな感じだと思ってるが、辞書を引いてきちんと調べたことはないから間違ってたり他にも意味があったりとかはすると思う。そこまでは俺の知ったことではない。

問題はまぁ臨也が素直じゃないことに限られてくる。

俺と臨也が出会ったのはもう8年か9年は前だろう。つい照れて「気に入らねえ」なんて言っちまったが俺があいつに一目惚れした。そして気づいてもいた。あいつも俺に一目惚れしていたことを。

なのにあいつは俺を嫌いだと言ったり刺したり変なやつらをけしかけたりと、自分の好意を裏切ることばかりをしてきた。少なくとも好きな人間に対してやる行いではない。だから一時期は臨也が俺に一目惚れしてるというのはただの自惚れで、本当に嫌われてるんじゃないかと悩んだこともある。まぁ後にそれも新羅に相談したときに「臨也は素直じゃないからねぇ」の一言で片付けられた。そこでようやく臨也が素直じゃないことを知った。

そんなこんなだから、俺と臨也が結ばれるには高校を卒業するまでかかったし、恋人という関係になっても臨也の態度は変わらない。「素直?何それ美味いの?」というのを絵に描いたような存在が臨也だ。

だから俺は決めた。臨也が素直にならない分、俺は全てをさらけ出すと。臨也をやれる限界まで甘やかしてやって、少しでもつられて素直になってくれればと思った。


「ぁ、あ、ふぅ…うんんッ!」


ビクンビクンと臨也の体が跳ねる。俺に貫かれたままで、臨也の内壁の収縮についイきそうになるが下腹に力を込めて耐える。

ただいまセックス真っ最中な俺たちなわけだが、セックス中でも臨也は素直になることはない。むしろ一段と素直じゃない。


「今すっげぇ締まったな…そんなに気持ちよかったか?」
「馬鹿言わないでよ!こんなのが気持ちいいわけないだろこの下手くそ!」


何も知らなかったら、下手くそなんて言われたら大抵の男は傷つくだろう。だが俺は臨也が素直じゃないことを知ってる。だから今のこの言葉だって直訳すれば「気持ちよすぎておかしくなっちゃうっ!シズちゃんすごすぎるよぉ!」ってなもんだろう。

…誰だ妄想乙って言ったの。絶対臨也はこんな感じのこと思ってるに決まってんだろうが。

しかしそれを言い当ててはいけない。より素直さからは遠ざかるからだ。


「下手くそで悪かったなぁ。でもどこをどうしたらイイかとかわからねぇからよ、イイときはイイって言ってみろ」
「イイとこなんてないってば」
「ちょっとでもイイって思ったらそれでいいんだよ。な?」
「……わかった、けど、シズちゃんには無理だって」


これで素直に…というわけではないが気持ちいいときには気持ちいいと言ってもらえる。素直にさせるためにはだんだんと馴らしていくことがポイントだ、と前に読んだことがある。動物の飼い方だとはそんな本だった気がするが。

俺は一突きする度に角度を変えながら臨也のイイトコロを探していった。臨也は小さく吐息をもらすだけでまだイイトコロにはたどり着いていないのがわかった。


「……もう、やっぱ駄目じゃんシズちゃん」
「んなことねぇだろ、ほらこことかはどうだ?」
「ひゃん!?」


あえて避けていた臨也の感じるポイントをぐいっと突き上げる。堅い先端でごりごり抉ってやれば臨也は目に涙を浮かべながらしがみついてきた。


「ひ、ァ、ああぁん!ごりごりって…あッあぁああ!!」
「ここがいいのか?」
「違うぅ!ぜんぜんよくないんだからぁ…きもちよくないし、ァ、んぅ、ほんっとダメなんだから…」


臨也は俺の胸に顔を押し付けしがみつく力を強くする。こんな反応をされたら口でどんなこと言っても無駄なのに。体は素直っていうのはこういうのを言うんだろうか。


「やだ、やだよ!もうやめて、だめ、だめぇ!」
(もっとシてやめないで俺を気持ちよくしてイかせて)


臨也の言葉の裏に隠された真意を正確に読み取って、俺は臨也のイイトコロだけを狙って突き上げる。臨也の声が甘さとエロさの混じったもので無性に興奮した。


「やだって言ってるじゃん!きらい、シズちゃんなんてきらい…!」
「そうか、俺は好きだけどな…」
「ふぇ、あ、ヒぁああああ―――!」


臨也の性器から出た白濁が互いの腹を汚す。俺も臨也の中に出して、疲れきった臨也はくたりとし俺から視線をそらした。


「ばか……おれもすきだよぉ……」


あ、臨也がデレた。










蒼華さまに捧げます。





 



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