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[※特別になりたいヒト]
月六/裏/鬼畜×人嫌い











「六臂さん、お茶持ってきました」


俺自らの手でいれたお茶と、臨也さんがもらったという菓子を片手に俺は六臂さんの部屋の戸を叩いた。中から返事がこないのはいつものこと。部屋の前に置いておいたら六臂さんは勝手にとる。俺がいなくなってから。

まるで引きこもりのような暮らしをしている六臂さんだが、それもこれも人間が大嫌いだからだそうだ。マスターである臨也さんは真逆で人間大好きだというのに。
六臂さんは臨也さんだけを唯一信用している。他の人間なんて見向きもしない。対をなす形で存在している俺にすら、心を開かない。

いつもの俺ならここで立ち去っていた。けれど今日はそうはしない、できない。俺だって我慢の限界だった。
俺は蹴破ってドアを無理矢理開けた。幾十にもかけられた鍵なんて関係ない。数ヶ月ぶりに見た六臂さんは、コンピュータに囲まれた部屋で突然の惨事に目を見開いていた。


「お久しぶりですね六臂さん」
「……どういうことだ月島。今すぐドアを直して失せろ」
「それはできません」


もう我慢ができなかった。悪いと思いながらも部屋にあがり、押しはめるように扉を直す。

けれど普通に開けることは難しいだろう。密室と言っても過言ではない。

歩み寄ろうとするとひゅん、と何かが飛んできた。それは俺の頬を掠めて壁に突き刺さる。


「……あーあ、臨也さんに怒られますよ?臨也さんのナイフなのに」
「これはマスターが自分の身を守るようにとくれたもの。お前を抹殺するためなら許してくれる」


いくつあるんだろう。また六臂さんはナイフを構える。そんなものきかないのに。
全く臆さずに一気に距離をつめた。まったく外に出ない六臂さんを押し倒すことは簡単だった。
ちくり。胸に小さな痛みが走る。見てみれば、綺麗な手に血管を浮かせて六臂さんが俺の胸にナイフを突き立てていた。


「……なんで……刺さらないの…………」
「俺のベースは静雄さんだから体の強度も高いんです」
「あんなマスターを奪った憎らしい男と同じだなんて最悪だ」


六臂さんは顔を背けて舌打ちをした。俺に対するものか、はたまた静雄さんに対するものか。たぶん両方だと思う。


「人間なんて大嫌い。マスターの愛を一心に受けるんだから。マスターは俺だけのマスターなのにマスターの心は俺のものじゃない。特にマスターを穢した平和島静雄!
あいつと同じ顔をもつお前なんて見たくもない!!」
「……六臂さん、本当に臨也さんが好きなら臨也さんの幸せを願ってください。臨也さんは静雄さんが……」
「やめろ!聞きたくない!!」


真っ赤な瞳いっぱいに涙をためて睨む六臂さんに、ずくりと俺の心が動いた。偽物の心臓がどくどく脈打っている。
もう抑えきれなかった。六臂さんの服に手をかけ、そして、破った。


「月島!?おい、何をするんだ!」
「臨也さんが大好きで人間が大嫌いな六臂さんに荒療治です」
「は……」
「俺のことを見てください」


邪魔な眼鏡を放り投げて六臂さんに口付ける。舌を噛まれないようにちゃんと顎を固定した。
くぐもった声、かわいい。ズボンもパンツも片手で脱がす。破けたインナーに剥き出しの下半身、六臂さんはたまらなくえろかった。


「……っは、六臂さん。俺は貴方が好きなんです。貴方の特別になりたい」
「俺は……お前に好意を向けることなんてありえない」
「わかってます。だけど好かれることだけが特別じゃないんですよ?」


身に付けていたマフラーで腕を縛った。足を開かせてその間に体を割り込ませた。俺も自分のズボンの前をくつろげる。

思春期の少年のようにもう硬く勃ち上がっていた。
これから何をされるか。それをはっきりと理解した六臂さんは自由な足を暴れさせた。


「やめろ!離せっ、離せぇ!!」
「ごめんなさい、無理」
「っあ゛、ああ゛ぁ゛あああぁああぁあ゛あッ!!」


ああ、慣らしていなかった。どうりでキツいはずだ。つんと鼻につく鉄錆のにおい。裂けたのか。
痛みからかぼろぼろ泣きじゃくる六臂さんがたまらなく可愛かった。奥をごりごり擦りながら、ぎゅっと乳首をつねった。


「い……ッ!!」
「痛がる六臂さん綺麗です。動いてもいいですよね?」
「やだ、いや、いや、やぁああぁああ!!」


限界まで引き抜いて、突き破るくらいに押し込んで。そんな単調な動きで六臂さんは悲鳴をあげた。これが悲鳴じゃなくて嬌声だったらいいのに。そう思いながらも悲鳴に興奮している自分がいた。


「ぁ、あ゛痛い、痛い痛ぁあ!!殺す、絶対殺してやる!!」
「ええ、楽しみにしてますよ」


たとえ憎しみという感情でも、六臂さんの特別になれた。

それが嬉しくて俺は欲望を六臂さんの中にぶちまけた。









More様に捧げます。





 



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