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静臨/風邪/生理/微裏











『お願い助けて死ぬ死んじゃう子宮爆発する痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い』

めずらしく学校を休んだ臨也から、そんな呪いめいたメールが臨也から送られてきたのは小一時間ほど前。これはどうやら俺だけではなく新羅と門田にも送られたらしい。
子宮が爆発する、とか俺にはよくわからない言葉の意味を聞いてみたが苦笑されるだけだった。それよりも臨也を助けに行ってあげなよ、と。
いつもの俺なら行かないだろう。だけど俺は見てしまったから。メール画面を一番下までスクロールしていった、そこに書かれていた文字。
「さみしいよ」は犯罪的に俺の心をもっていった。

「おい、臨也生きてるか?」

呼び鈴を鳴らしても返事がない。ドアノブに手をかけると何の抵抗もなく開いた。なんて無用心なやつなんだ。
勝手知ったるなんとやらで臨也の部屋に直行する。ドラマなんかで見る女の子の部屋とは全然違ったシンプルな部屋。開けると、臨也は無駄に広いベッドで顔を真っ赤にして寝こけていた。

「なんだ寝てるのかよ……風邪か?」

ベッドサイドには半分あたりまで水の入ったコップと薬がある。風邪薬と鎮痛剤だ。服用しても大丈夫なのかとか、なんで鎮痛剤なんだとか気になる点はあった。しかし臨也のうめき声に体が強ばった。

汗はすごいし苦しそうだ。このままじゃ気持ち悪いだろう。階下からタオルと湯の入った洗面器を持ってきた。体くらい拭いてやった方がいいと考えたからだ。

パジャマのボタンを外す。下着をつけていなかった裸の胸が眼前にさらされクラリときた。
だめだ静雄。体を拭くだけだ欲情するな。そう自分に何度も言い聞かせて堪える。風邪で弱った女の裸体がここまで興奮するとは。まるで俺が変態みたいじゃねえか。

なんとか拭き終わったものの、着替えのパジャマの場所がわからない。だから適当にタンスから引っ張り出したパーカーを被せた。布団をかけ直そうとして気付く。臨也から血のにおいがすると。
においは下半身からだった。足を怪我しているのかもしれない。風邪にくわえて怪我だなんて辛いだろうな。包帯を巻いていたのなら変えるべきか。

ズボンの裾を捲っても傷はない。太もものあたりかとズボンを下ろしたが傷はなかった。
おかしい、たしかに血のにおいはする。

より一層濃くなったような気までするのに。

いぶかしんでいるとパンツに何かが貼られているのに気がついた。それは初めて見るもので、血のにおいはそこからする。まじまじ眺めていると臨也が目を覚ました。

「ん……」
「お。起きたか」
「……え!?キャアアアアアアアアアアアアアア!?」
「ぐっ!?」

臨也は突然叫んだかと思うと俺の顎先を蹴り飛ばした。俺じゃなかったら脳震盪か何かでも引き起こすんじゃねえか。
文句のふたつみっつでも言ってやろうとしたら、臨也はぎゅっと目をとじ腹を抱えて唸っていた。

「……おい、大丈夫か?」
「大丈夫じゃない、お腹痛い……死んじゃう……」

眦に涙まで浮かべた。さすがにヤバいんじゃないかと携帯を取り出せば臨也が止める。新羅はどうせ呼んでもこないよ、小さな声でそう言われた。

「いや、いくら何でもくるだろ。あいつだってそこまで酷くは……」
「ううん、いつものことだもん。新羅がいても治るわけじゃないし、風邪うつして散々愚痴られるのもやだし。ねえシズちゃん、せっかく来てくれたんだから看病してよ。そのつもりで来たんでしょ?」
「……看病っつったって何すりゃいいんだよ……」

俺にはうつってもいいのかよ、という言葉を飲み込んで仕方なしにたずねる。すると臨也は何もしなくていいと。看病しろとたしかに言ったのに、どういうことなのか俺にはわからなかった。

「……そういえば、手前血のにおいすんだけど何なんだ?」
「あの日」
「あー……何か悪ィ」
「シズちゃんにデリカシーの欠片もないのはわかりきってるから言わなくていいよ」
「るっせ」

簡単に答える臨也も臨也だが、聞く俺も俺だ。臨也にもアレがくるだなんてやっぱりこいつは女なんだな。こんな羞恥心の欠片もないやつが女なんて思いたくないが。

「ねえシズちゃん、ベッド入って」
「あ?」
「寒いの。あっためてよ」

それに性的な意味など含まれていないのについドキッとしてしまう。恐る恐る布団に入り、臨也と向き合うように寝そべった。臨也は俺の背に腕をまわし、ぎゅうと力強く抱き締めた。

「っ!?いざ……ッ!」
「お願い……このまま寝させて……」
「……風邪、うつしたら殺すからな」
「うん……」

それからすぐに寝息が聞こえてきた。俺からも臨也を抱きしめ、この据え膳をどうするべきかと悩んだ。










はるみ様に捧げます。





 



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