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静臨/裏/空イキ










シズちゃんと付き合うようになってから俺は弱くなったと思う。肉体的にではなく精神的にだ。
折原臨也というものが情けないことに、シズちゃんに関連することに限って情けないほど弱くなる。その弱味に漬け込まれて大惨事になるのもそう遅くはないかもしれない。

だけど他人がどうこうとかそれ以上に、俺はシズちゃんに弱さを見せるのが……怖い。

「……手前、何考えてんだよ」
「あ……」

今はセックスの最中だということをすっかり忘れていた。慌てて謝罪するも、興が冷めたというようにシズちゃんは性器を抜いてしまった。
まだお互いに絶頂を迎えていないというのに、中途半端に行為は終わってしまった。

「シ、シズちゃん!」
「ヤりたくねえんなら別にいい。帰る」
「待ってって……!」

手早く着替えを進めるシズちゃんを引き止めようとしても、長すぎる前戯だけでへとへとになってしまった体は動いてくれなかった。大きな音をたててドアが閉められる。

こんなはずじゃなかったのに。涙腺が壊れたみたいに涙が溢れ出した。全く止まる兆しを見せてくれない。こんなの女々しいじゃないか。全部全部、シズちゃんのせいだ。

紆余曲折あって結ばれた俺たちだけど、シズちゃんが本当に俺のことを好いてくれているかどうかは知らない。始まりは俺が嵌めたみたいなものだったから。セックスは何度もしたけど恋人らしいことはしたことがないし、シズちゃんはいつだって意地悪ばかりだ。

「……セフレみたいじゃん。こんなの」

体を重ねても心は通わない。セフレなら相手はいつだって変えられる。もしも俺より体の相性がいい女の子がいたら、シズちゃんは迷わずその子を選ぶんだろう。
俺だけがこんなにシズちゃんを想っていて、いつ捨てられてもおかしくないだなんて。世界はなんて不公平なんだろう。服を着ることもなく泣き続けていると、先ほど閉じられたはずのドアが開いた。

「なんで泣いてんだよ……」
「な、泣いてないし」
「俺たちの関係のこと……、セフレだと思ってたのか」
「聞いてたの!?」

シズちゃんはドアの前で待機でもしていたんだろうか。まさか聞かれていただなんて思わなかった。
シズちゃんが腕を伸ばしてくる。殴られるかと思ったら広い胸に抱え込まれた。

「セフレじゃねえよ。俺は手前のこと恋人だって思ってる」
「だってシズちゃんいっつも俺に意地悪するだろ!」

「それは手前が可愛いから悪いんだろうが!」

数十秒見つめあったあと、俺たちは噴き出すように笑い転がった。何だか悩んでいた自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。

「ねえ、続きしようよ。シズちゃんのまだ硬いよ……?」

スラックスを下げ取り出した性器は先走りで濡れていた。煽るように撫でるとブチッと何かが切れる音がして、気がついたら俺はシズちゃんに押し倒されていた。

「あ、あれ……?」
「後悔するんじゃねえぞ!?」
「ひっ!やぁああんっ!」

力任せに性器を捩じ込まれて、押し出されるように高い嬌声があがった。恥ずかしくて口許を押さえるもその手をシズちゃんに絡めとられてしまう。

「ぁんっ!あー!やめ、こえっ!アァアッ!」
「声、可愛い。もっと聞かせろよ……」
「やらぁあ!んアッ!」

奥の方をごりごりと抉られるととても気持ちがよかった。律動のたびに俺の勃起した性器がびたんびたんと腹に当たる。俺の腹は中も外もぐしゃぐしゃだった。
シズちゃんはその揺れる性器をぎゅっと握ると、これまた意地の悪い笑みを浮かべた。

「こないだテレビでやってたんだけどよぉ、射精しなくてもイけるらしいんだよな」
「……それで?」

「だから……手前で試してえ」

ぐいっと足を肩に担がれてより結合が深くなる。力任せに腰が打ち付けられる。それまでとは比べ物にならない勢いで中を穿たれ、強烈な快楽が俺を襲った。

「ひああぁああっ!だめっ!だめぇぇえ!はなひてぇ……イきた、ぁ、あ!」
「だから出さずにイってみろって。イけるだろ……?」

耳元で甘い低音で囁かれる。こんな時にそんな声、反則でしかないのに。脳の奥が甘く痺れたみたいで、この時だけ理性も何もかもが吹き飛んでしまったみたいだった。

「イくっ!イくぅう!あァ――――ッ!」

頭の中が真っ白になった。壊れたみたいに体が痙攣して、ずっと絶頂しているかのような錯覚を覚えた。全身が心地よいだるくに包まれ体の力が抜ける。中に吐き出される感覚に酔いしれながらまだ小さく喘いでいた。

「出さないでイけたな」
「すごぉ……こんなえっち、初めて……」
「よくできました」

子供をあやすみたいに口付けられる。からかわれてるみたいでちょっぴりムッとした。けれどそれがすごく優しいものだったから、俺はたまらなく嬉しくてシズちゃんに抱きついた。










きなみ様に捧げます。





 



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