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[♀※求めたのは君だけでした(後編)]
静臨/裏/弟×姉










これがいけないことだという自覚はあった。もう婚約者がいる相手と性行為をすることも、それ以前に姉弟だということも。
しかしそんなことどうでもよかった。俺は今、姉を犯している。

「あ、っう、う……ふぇ、もう、やだ……ぁ」

臨也は涙と汗で顔をぐしゃぐしゃにしていた。いつもは強い光を宿す瞳も今は虚ろになっている。無理もないだろう。結合部からは泡になった精液が溢れている。溢れるまで中に出して、一度も抜くことはなかった。
ここまでしたらきっと妊娠してしまうだろう。してしまったらいいのにと思う。そうしたらもう結婚なんてできないはずだ。

「臨也……波江ってやつよりずっといいだろ?手前は弟のちんこでよがってりゃいいんだよ」
「ひっ……おれ、したことない……!波江さんと、こんなことしたことないよ……っあぁ!」
「婚約してるのにか?嘘つくんじゃねえ!」
「やぁあ!痛い……痛い!」

揺れる胸を跡がつくくらい乱暴に揉みしだく。柔らかくてほどよい弾力をもつこれに触れたやつが他にもいるのかと思うと、そいつをぶん殴ってやりたくてたまらなくなった。こいつは小さい頃から俺だけのものなのに。

誰よりも長い時間を共にしたのは俺なのに。
腰を掴んでぐんっとより奥まで突き進むと、臨也は背中を仰け反らせて痙攣した。先端がつっかえてこれより先に進まない。無理にぐいぐい押していると臨也は怯えたように俺の腕に爪を立てた。

「そこ、それ以上だめだから……!子宮壊れるからぁ!」
「子宮……?」

子宮ってなんだっけ。……たしか子を宿すところだったような気がする。つまり詳しくはわからないが、子宮が壊れればこいつは誰の子も生めなくなるはずだ。

「おい臨也、選ばせてやるよ」
「な、に……?」
「結婚するのやめろ。結婚するなら子宮ぶっ壊してやる。しないなら何もしねえけど……どうする?」

臨也はきょとんとした顔をして数秒後、唐突に声を上げ笑い出した。さっきまでのか弱い態度が嘘みたいだった。

「シズちゃん、君って本当にからかいがいがあるよ。まさかこんなことされるとは思ってなかったけど」
「あ?」
「床に俺の携帯落ちてるから開けてみて」

何がなんだか全くわからないが、とりあえず言われた通りに拾ってみる。挿入したままだったため臨也の中を強く擦り、臨也は甘く喘いだ。さっきよりも心なしか気持ち良さそうな気がする。

携帯を開くと臨也と髪の長い美人が待ち受けだった。これがどうしたというんだろうか。

「誰だよこいつ」
「波江さん」
「……は?」
「矢霧波江さん。俺の秘書。女性。おわかりいただけただろうか」

どういうことだ。

頭の中がこんがらがる。気が抜けて性器もずるんと臨也の中から出てしまった。
この女が波江ということは、波江が女ということは。結婚するだなんて嘘だということが明確に示されたということだった。

「あはは名前出したからすぐ気づくと思ったんだけどなかなか気づかないものだねぇ。久々に会ったんだしちょっと驚かせてみたかったんだけど、こんなにうまく引っ掛かるなんて」
「て、め、え、なぁぁぁああああああ!!」
「ごめんごめん、怒らないでよ」

細い腕に抱き締められる。汗ばんだ肌がくっついて、濃密な性の匂いがした。改めて自分が一時の感情だけで姉とセックスしたのだと知らされた。

「わ、悪い!」
「ん?」
「姉ちゃんにこんなことして、えっと……責任はとる!」
「とれないだろ姉弟なんだから」
「じゃあ今からすぐかき出せばまだ……」

体を離して足をひっくり返すと、赤く色づいたとこから呼吸に合わせて精液が漏れていた。

モザイク越しじゃない性器に喉をならすも、そうしていい場合でもなかった。
慌てて指を入れようとする俺の手を臨也が遮る。首を横に振っていた。

「大丈夫。ピル飲んでるからそんなに焦らないで。今シズちゃんにかき出されたら精液だけじゃなくて内臓も出そう」
「う……」

返す言葉もない。俺もさすがに落ち込んでしまう。

「でも嬉しかったよ、姉ちゃんって呼んでくれたのも。あとシズちゃんの気持ちがわかったのも」
「……あ?」
「俺のこと好きなんでしょ?家族愛じゃなくて、恋愛対象として」
「…………おう」

顔を合わせているのが気まずくて頭を伏せる。と、その頭に強烈な肘鉄がくらわされた。

「痛ェじゃねえかおい!」
「らしくないよ、顔あげな」

小さな袋が投げられる。反射的に掴むと中から鍵が出てきた。

「これ……」
「俺の家の合鍵。たまにおいでよ。今度は優しく抱いてね?」
「は!?え、ちょっ……臨也!?」
「あっはははははは!お風呂借りるねー、覗いちゃやだよ?」

臨也はひらひら手を振って部屋を出ていった。やっぱりあいつにはかなわないと手の内の鍵をぎゅっと握りしめた。









More様に捧げます。




 



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