PAGE◇
[※♀360000hit]
門臨/裏










「ドタチーン!だっこー!」

もう何年も前に成人した女が幼児のように包容を求めるのは、毎度のことながら形容しがたい気持ちになる。それでも俺は慕ってくる臨也を断ることなどできず、むしろ可愛いとまで思っている。
膝の上に向かい合うようにして股がるものだから胸は当たっているわ、ただでさえ短いスカートは捲れてすらっとした足を惜しげもなく曝しているわでたいへん目によろしくない。

「臨也、お前はもうちょっと慎みというものをだな……」
「ドタチンまでそんなこと言うの?波江さんにも昨日言われたばかりだよ」

波江さん、というのは臨也が最近雇ったという秘書だろうか。直接会ったことはないが岸谷から以前「門田くんが臨也のお父さんだとしたら、彼女はお母さんみたいなものだね!」と言われた。よくわからないが臨也に苦労していることは察する。

臨也は女性らしいのだが女性らしくない。もっと細かく言うのなら容姿は女性らしく気を使いいつも見目麗しいのだが、中身は危なっかしいというか時々男勝りだ。けっこう危険な橋をしょっちゅう渡っていることも知っている。
こんな細い体で、一体どれだけのことをしたのだろう。

視線をおろすと足に大きな擦り傷があるのを見つけた。

「……臨也、これどうしたんだ?」
「え?ああ、シズちゃんとちょっとやりあってね。まあいつものことだし」

けらけら笑いながら臨也は傷跡を撫でる。生々しいそれは最近できただろうことが用意に想像できる。
全くこいつらは懲りない。そろそろ学生気分を捨てて落ち着くべきだとは思うが、そうなったらそれはそれで物足りなくなるんだろう。あとこう思うのも何だが、二人にはずっといがみ合ってほしい。

本人は気づいてないだろうが静雄は間違いなく臨也を好いている。犬猿の中とはいえ、臨也は唯一静雄の側に居続ける女だ。恋愛感情が生まれたっておかしくない。静雄がもし自覚してしまったら、と思うと怖い。

「……どうしたの?ドタチンが気に病むことないよ」
「ああ……って、なんで脱いでるんだお前は」
「ドタチンとエッチしたいなぁって。だめ?」

胸元からブラジャーを取りながら臨也は耳元で囁く。臨也の言葉は媚薬で麻薬だ。簡単に人を惑わせて抜け出せなくする。
臨也を膝の上からどけてスカートと下着をおろす。ひくつく陰部はピンク色をしていて少し濡れていた。

数度扱けば性器が固くなる。

引き出しにしまっていたコンドームを取り出して性器に装着して腰を引き寄せた。粘膜にぶつかってくちゅ、と鳴る。一気に押し進めば臨也は高い声をあげて体を硬直させた。

「は、ぁ……あ……!やっぱり、ドタチンのすごいね……」
「お前の中も、な」

汗ばむ胸元に顔を寄せて淡く色付く乳首に噛みつく。「痛ッ!」と言いながらも臨也の膣内は感じているように俺を締め付けた。今度は労るように舐めてやったあと、ちゅうっと吸い上げて明確な快感を与える。吸っていないほうの胸はやわやわと揉んで、下半身では腰を振ることを忘れない。体の外にある最大の性感帯、クリトリスはこれだけ密着してるんだから俺の陰毛が擦っているはずだ。

「ん、く……どたち、やらぁ……!こんなにいっぱい、いいとこ責めたら……ぁ!あ!」
「じゃあ何もしないほうがいいか?」
「ふぇっ!?」

愛撫の手も律動を止める。困ったようにもじもじと視線をさ迷わせながら臨也は俺の腕を掴んだ。

「ドタチン、なんで……」
「いやなくらい感じてるんなら少し休んだほうがいいだろ?」
「ち、ちがっ」

臨也の泣きそうな顔は正直かなり腰にくる。しかし俺は臨也を泣かせたいわけじゃない。

臨也にはできるだけ誰よりも優しくしたいんだ。甘やかしすぎだと言われようが、俺は臨也の笑顔を見ているほうがいい。

「悪かったな、冗談だ。だからそんな顔するな」
「うう……いじわる嫌い……」
「ああ、ごめん」
「……きもちよくしてくれたら、許す」

臨也は挑発するように僅かに腰を揺らした。この挑発、乗らなければ男ではない。
今度は手を胸ではなく腰に当てた。がっしり掴んで抜けるギリギリまで腰を引き、再奥まで貫く。臨也の甘い悲鳴が上がった。単調な動きだが激しいのが好きな臨也には相応しい。

射精感が高まってくる。臨也の体を抱きしめ、絶頂が近いという合図を出す。臨也はろくにしゃべれないほど感じているらしく、ぶんぶん首を振って自分に沸き上がった快楽に身を任せた。

「あ、あんっぁぁあああああ!う、あ、ぁあ……ん!」
「っ、」

コンドームの中に欲望を吐き出す。すぐに臨也の中から抜いてコンドームを外し、口を結んでゴミ箱に投げた。荒い息を整えながら臨也は俺の背を撫でる。

「どうした?」
「ふふ、俺の所有印」

背中にできたみみず腫。俺がそれを知るのはまだあと少し先だった。









117様に捧げます。




 



[←前|次→]
[←戻る]