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静臨/裏










わざわざ新宿まで赴き、インターホンを鳴らしても臨也は出なかった。ドアを叩いても全くの無反応だったからこじ開けようと思ったが、以前に合鍵を渡されていたことを思い出してとどまる。ポケットの中に突っ込んでいた鍵をさして上がり込んだが、どういうわけか臨也の姿が見当たらない。

「……臨也?」

におい、というか気配はする。だから外出はしていないはずだ。耳を澄ませば水音がした。どうやらシャワー中らしい。シャワー中となると多少なりともムラッとくるがあいにく覗く趣味はない。だから臨也が出るまで大人しく待つとする。

ただ待つだけではさすがに暇だから、勝手に牛乳か何かでも飲もうとダイニングに移動するとまだ洗っていないカップが目に入った。カップはなぜかふたつある。しかもよく見るとそのうちひとつには口紅がついていた。
胸の奥がざわついてくる。臨也が口紅をつけるわけがない。いや、するかもしれないがならばカップがふたつある理由がない。

浮気の二文字が脳裏をよぎる。臨也が俺と会わずに女とふたりで会っている現場は用意に想像できた。女と会って、今はシャワー。これから導き出される答えはひとつだ。

俺はカップを叩き割り、一目散にバスルームに向かった。

「臨也あああああああああ!俺がいるってのにどういうつもりだこの野郎!」
「うぇっ!?シ、シズちゃんなんで……っ」

濡れた髪、肢体の色気も今は気にならない。バスルームに入り後ろ手に鍵を閉めた。
臨也は「入るな!」と頭から湯を浴びせてきた。幽からもらった服が濡れる。ただでさえ沸騰寸前だった頭は煮えたぎってしまった。

「手前浮気したうえにこの仕打ち……、殺られたってこりゃ仕方ねえよなぁ……?」
「い、いや、ちょっと待ってよ……!浮気?俺が?何言ってるか全然わからないんだけど……」
「とぼけてんじゃねえ!!」

臨也の腕をがっと掴む。当然足元は濡れているから滑った臨也は俺の胸に体をもたらせた。シャンプーのにおいとか臨也のにおいとかが混ざりあっていて、その中に微かに違うにおいがあるような気がする。やはり浮気か。浮気なのか。
でも臨也の何がなんだかわからない、という顔は演技とは思えない。何がなんだかわからないというのはこっちも同じだ。

「ねえ、とりあえず落ち着いてよ。ね?話がしたいなら場所を変えた方がいいって」
「話すことなんざねえよ。……許さねえ」

「ひっ!?」

ボディソープを数滴手のひらに垂らして臨也の尻に塗りたくる。ぬるついた尻がなんだかエロかった。滑りを借りながらすぼまった場所をつんつん続く。人差し指の先がぐぷん、と中に入れば少し抵抗があったがわりと楽に奥まで進んだ。

「や……きもちわる、抜け……っ!」
「抜かねえ。入れる。まだそんなほぐれてねえけど……、まあ大丈夫だろ」

おざなりにほぐしただけだが遠慮はしない。濡れてへばりつくズボンの前を何とかくつろげて出した性器にボディソープを絡める。そういえばボディソープは中に入っても平気なんだろうか。わからないが相手は臨也だし気にしない。
入口に押しあて、少し乱暴に腰を進めれば臨也の中は容易く俺を受け入れた。

「あ!?っあー!や……だぁ!」
「やだ、じゃねえだろ浮気野郎!」
「ひあっ!?あっ、あんっ!」

中は痛いほど締め付けてきたが動けないほどじゃなかった。臨也も抵抗していたのは最初だけで、次第に俺の動きに合わせて腰を振るようになる。苛立ちも忘れるくらいにエロかわいいなと鼻血が出そうになった。

「しうちゃ、しうちゃんのちんぽ、しゅごいぃい!もっといざやのことちんぽでいじめてぇぇ!」

「手前はちんぽ狂いだもんなぁ……、ケツにちんぽ入れなきゃイけねえだろ?この変態が」
「ぁひいっ!おく、やらぁぁあ!」

浴室にいるせいかあつい。浴槽に浸からなくてものぼせるものなのか。中途半端に塗れた衣服が邪魔だ。一時動きを中断して脱ごうとすると臨也がぽつり呟いた。

「…………おれ、浮気してない」
「あ?」
「なんで浮気野郎なんて言うの?俺にはシズちゃんだけなのに、浮気なんて……っ」
「おい!?」

臨也が泣きはじめてしまって動揺してしまう。泣いてるやつを相手にするのは得意じゃない。

「だって口紅ついたカップ置いてたし、女のにおいしたし……」
「それは波江!俺の秘書!」
「……あ」

我ながら間抜けな声が出た。そうだった、臨也は秘書を雇っていた。たしか弟にしか興味がないとかいう人だった。
俺のとんだ勘違いである。気まずい空気になってしまって沈黙が痛い。痛い。誤魔化すようにまた律動を始めた。

「んあ!?やッ、うごかな、ふぁあああ!」
「悪かったな臨也、気持ちよくしてやるから許せよ」
「最低……っ!」

結局、臨也が意識を飛ばすまでヤってしまった。










菓瀬様に捧げます。





 



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