PAGE◇
[※♀430000hit]
静臨/裏/生理










そういう雰囲気にはなっていたのだと思う。
急にシズちゃんが「臨也の作った料理が食べたい」なんて言って押し掛けてきたと思えば、作ってやったらそれはもう美味しそうにたいらげて。シズちゃんは仕事帰りで来たからか時間もだいぶ遅くなってたから、ほだされちゃった俺は「今日は泊まっていけば?」なんて言っちゃって。シャワーまで貸してあげちゃって。俺としたことがなんて迂闊なことをしてしまったんだろう。

いつものメンバーでチャットをする。画面の甘楽は馬鹿みたいに陽気ぶっているが、タイピングしている俺の心はこうも晴れ晴れとしていない。作り物の人格と取り替えっこできればいいのに、なかなかうまくいかないものだ。
今日もふざけた話題で盛り上がっているチャットルームの楽しさったらない。いいなあ青春してるなぁ。俺と人外と高校生複数名となると話題が若々しい。セルティはまた相方、新羅の話題だ。あいつらみたいな純愛もいいと思う。

「……何してんだ手前は」

後ろから回された腕はまだ濡れていた。どうやらシズちゃんがシャワーからあがったらしい。チャットを切り上げてパソコンをシャットダウンされる。

このまま続けていればパソコンを破壊されかねない。

「ちゃんと体拭いてからきてよ……って、なんで裸なの」
「ヤりたくなったから」
「…………は?」

振り返ればシズちゃんは全裸だった。全裸の男が俺を抱えあげてまっすぐ寝室に向かっていく。なんだこの横暴男は。

「や、やだ!今日はいや!」
「なんでだよ、ここずっとご無沙汰だったろ?体疼いてるんじゃねえのか?」
「ひ……ッ」

部屋着をたくしあげられて、めうしばらくしたら寝ようとしていたため何も身に付けていない胸に触れられる。たしかにシズちゃんの言う通り、もう2週間もしていなかった。だけど今日は、いや、少なくとも1週間はできないんだ。

「お願い、今日はやめて……!今度サービスするからさ……?」
「今度じゃなくて今がいいんだよ。サービスするなら今しろ」
「だめだってばぁあああ!」

俺の拒絶も無視してシズちゃんがスウェットに手をかける。当然押さえて阻んだけれどもシズちゃんの力に勝てるわけがない。スウェットも下着も剥ぎ取られてしまい、俺はシズちゃんからの視線を痛いくらいに浴びて憤死しそうだ。シズちゃんの指が敏感なところに触れる。ぐちゃ、とこもった音がした。

「血……?なんだ、生理だったのかよ」

指先で付着した経血を弄りながらシズちゃんは頷いた。俺はただいま生理真っ盛りなのである。

「うん。だから悪いけどできないんだよね。生理終わるまで待ってくれる?」
「何言ってんだよ。生理だってヤることヤれるだろ」
「は?」

小学校に戻って思いやりという言葉を覚えてくるべきだ。自分の都合で生理中の俺とセックスしたがるシズちゃんの神経がわからない。

「だめだよ、シーツ汚れる。何より体調最悪なんだよね。こんな状態でしたらいくら俺でも死んじゃうと思うんだけどなぁ……」
「大丈夫だ。手前がそんぐらいでくたばるかよ」
「生理中はいつもの素敵で無敵な臨也ちゃんじゃないんだって!ひぁ!?」
「うるせえ。俺はやめねえぞ!」

俺の視界がとらえた狂暴なまでの肉棒は、今まさに俺の中に入ろうとしている。いや、すでに先端は入った。ぶちゅぶちゅと隙間から血液が溢れていくのがわかる。

「い、やだ……やだぁ……!気持ち悪い……!」
「処女貫通したみたいだな。手前は俺とヤる前にとっくに処女捨ててたもんなぁ……?」
「今はそんなこと関係ないだろ……っ」

たしかにシズちゃんの言う通りだ。

俺の処女なんてシズちゃんと出会う前には捨てている。どうやらシズちゃんはそのことを根にもっているらしいが、今はそれどころじゃない。

頭も腹も受け入れているところも全部痛いし、吐き気だってたまったものじゃない。こんなの拷問と同じだ。快楽も何もない。

「っく……痛い……痛い……」
「……そんなにつらいのかよ」
「…………ぁ、ぁ……っ」

出入りする度に内臓を壊されそうな気がする。シズちゃんは俺の様子に気づいたのか動きを止めた。
「悪い」と一言呟いて今まで体内を抜け出たものが抜け出ていく。一緒に流れ出る血の不快感よりも、苦痛から解放された安堵感のほうが大きかった。

「……わかってくれた?やっぱり生理中はやめよ……?」
「ああ……ぬるぬるしすぎててあんま気持ちよくねえしな」
「は?」

無理矢理しておいてなんて言い種だ。しかも俺の身を案じてやめてくれたんじゃなかったのか。

「シズちゃんのばかぁああああああ!最低だこの糞野郎!」
「痛ッ!?」

沸き上がる痛みに任せてシズちゃんの背中にナイフを突き刺した。いつもより少し深く刺さったのはきっと錯覚ではない。










風月花様に捧げます。





 



[←前|次→]
[←戻る]